山内一豊
やまうち・かずとよ

【生没】1545(天文14)−1605(慶長10)
【生地】尾張国
【家系】山内氏
【実父】山内盛豊
【実母】法秀尼
【略伝】
 豊臣家の家臣。
 父盛豊は織田信長と対立する岩倉織田家の家老を務めていたが、1559(永禄2)年、信長により岩倉城が落とされて岩倉織田家が滅亡すると各地を流浪。後に信長に仕えて木下藤吉郎(豊臣秀吉)の配下とされ、秀吉に従って各地を転戦する。
 その後、秀吉の命により豊臣秀次の家老となり、1585(天正13)年には若狭高浜1万9800石、この年さらにかつての秀吉の本拠近江長浜3万石を与えられる。秀吉の統一が成った1590(天正18)年には遠江掛川5万1000石に転じるなど順調な出世を遂げ、1595(文禄4)年の秀次の切腹の際にも連座を免れた。
 1598(慶長3)年の秀吉の没後、石田三成徳川家康との対立が深まる中、旗幟を鮮明にしなかったが、1600(慶長5)年、家康が会津の上杉景勝を攻めるべく上方より東下した際にはその軍勢に属し、下野小山在陣中には、大坂で人質となっていた正室千代より届けられた石田方の状況を綿密に記した密書などを家康に差し出した上、軍議で本拠浜松城の開城を申し出て家康の賞賛を受ける。同年9月15日の美濃関ヶ原での本戦でも奮戦して徳川方の勝利に貢献し、戦後、家康より土佐一国を与えられた。
 土佐入国後は、長宗我部家の遺臣らの激しい抵抗に遭うが、これを鎮圧して支配体制を固めた。
【配役】
市川鬼久丸(18) …… 山之内一豊の妻(1922・牧野)
羅門光三郎(38) …… 山内一豊の妻(1939・新興)
三橋達也(43) …… 戦国夫婦物語 功名が辻(1966・NET)
東野孝彦(31) …… 国盗り物語(1973・NHK)
千秋 実(64) …… 関ヶ原(1981・TBS)
小野泰次郎(51) …… 徳川家康(1983・NHK)
西田敏行(39) …… 旦那さま大事(1986・TBS)
相原巨典(62) …… 春日局(1989・NHK)
宅麻 伸(41) …… 司馬遼太郎の功名が辻(1997・ANB)
斉藤 暁(47) …… 葵 徳川三代(2000・NHK)
途中慎吾(19)→上川隆也(41)…… 功名が辻(2006・NHK)
山丸親也(48) …… どうする家康(2023・NHK)

山内下総
やまうち・しもうさ

【生没】1819(文政2)−1876(明治9)
【生地】土佐国
【実父】山内佐儀
【実母】
【別称】山内佐成、酒井勝作
【略伝】
 土佐藩(山内家)の家老。
 藩論が公武合体派と尊王攘夷派とに二分される中、家老職への就任と辞職を2度繰り返した後、1862(文久2)年の吉田東洋の暗殺後に3度目の家老に就任。主に京都にあって朝廷工作や諸藩との折衝などを担った。
 1868(明治元)年からの戊辰戦争では伊予松山警護総督を務め、1871(明治4)年に隠居した。
【配役】
谷岡貞夫 …… 竜馬がゆく(1968・NHK)
高橋正夫(58) …… 天皇の世紀(1971・ABC)

山内忠義
やまうち・ただよし

【生没】1592(文禄元)−1664(寛文4)
【生地】遠江国
【家系】山内氏
【実父】山内康豊
【実母】山内康豊の妻
【略伝】
 土佐藩主。
 伯父山内一豊に実子がなかったため、その養子となり、1605(慶長10)年の一豊の死により家督を相続して土佐藩主となるが、幼年のため当初は父康豊が藩政を後見。1631(寛永8)年には執政に野中兼山を登用して、殖産興業によって藩財政の確立を図るなど積極的な治政を行った。
【配役】
細川俊夫(62)…… 柳生十兵衛(1978・12CH)
照井宙斗(8)→十川史也(12)…… 功名が辻(2006・NHK)

山内豊明
やまうち・とよあきら

【生没】1642(寛永19)−1704(元禄17)
【生地】武蔵国
【家系】山内氏
【実父】山内忠直
【実母】水野忠清女
【略伝】
 土佐中村藩主。
 山内忠義の孫。1667(寛文7)年、兄豊定の死により家督を相続し、中村藩主となる。
 その後、将軍徳川綱吉の寵愛を受け、1689(元禄2)年5月には、外様大名ながら幕府若年寄に任ぜられたが、わずか1週間で病を理由にこれを辞したため、逼塞を命じられる。後に3000石に減封されるがこれを受けなかったため、さらにそれも召し上げられ、遠江浜松藩主青山忠重に預けられた(1692[元禄5]年に赦免)。
【配役】
大石継太(39) …… 元禄繚乱(1999・NHK)

山内豊範
やまうち・とよのり

【生没】1846(弘化3)−1886(明治19)
【生地】
【家系】山内氏
【実父】山内豊資
【実母】
【略伝】
 土佐藩主。
 1848(嘉永元)年、兄の土佐藩主山内豊惇の死により家督相続が取りざたされたが、幼少のため、いとこ豊信(容堂)が家督を相続。1859(安政6)年、安政の大獄によって豊信が隠居・謹慎させられると土佐藩主となったが、1862(文久2)年に容堂が藩政に復帰してその実権を掌握したため、事実上その傀儡となって幕末を迎えた。
 1869(明治2)年、薩摩藩主島津忠義らとともに版籍を奉還。1871(明治4)年の廃藩置県後は一線から退いた。
【配役】
染谷将太(18) …… 龍馬伝(2010・NHK)

山内民部
やまうち・みんぶ

【生没】1841(天保12)−1867(慶応3)
【生地】土佐国
【家系】山内氏
【実父】山内豊著
【実母】
【別称】山内豊誉、山内兵庫
【略伝】
 山内容堂の弟。
 分家山内豊道の養子となる。武市半平太を支持して藩論を尊王攘夷に統一することに貢献。しかし、後に武市が失脚し、藩論が公武合体に転換すると立場を失った。
【配役】
石島房太郎(68) …… 天皇の世紀(1971・ABC)

山内盛豊
やまうち・もりとよ

【生没】1510(永正7)−1559(永禄2)?
【生地】
【家系】山内氏
【実父】山内久豊
【実母】二宮俊宗女
【略伝】
 山内一豊の父。
 尾張上四郡守護代岩倉織田家に仕えてその家老を務めるが、1559(永禄2)年、織田信長により岩倉城が落とされた際、自害して果てたという。
【配役】
坂口進也(59) …… 功名が辻(2006・NHK)

山内康豊
やまうち・やすとよ

【生没】1549(天文18)−1625(寛永2)
【生地】尾張国
【家系】山内氏
【実父】山内盛豊
【実母】法秀尼
【略伝】
 山内一豊の弟。
 兄一豊に仕えてこれをよく輔佐し、1600(慶長5)年の関ヶ原の戦い後に一豊が土佐一国を与えられて土佐に入ると、土佐中村城を与えられ、土佐西部の支配を委ねられる。
 1605(慶長10)年の一豊の没後、一豊の養子となっていた子の忠義が土佐藩主となると、中村を離れて高知へ移り、藩政を後見した。
【配役】
古澤龍之(14)→玉木 宏(26) …… 功名が辻(2006・NHK)

山内康豊の妻
やまうち・やすとよのつま

【生没】1568(永禄11)−1619(元和5)
【生地】
【実父】水野権左衛門?水野源五右衛門?佐藤氏?
【実母】
【略伝】
 山内康豊の正室。
 1612(慶長17)年に幕府の人質として江戸へ赴いた。
【配役】
眞野裕子(30) …… 功名が辻(2006・NHK) 役名は於美

山内容堂
やまうち・ようどう

【生没】1827(文政10)−1872(明治5)
【生地】土佐国
【家系】山内氏
【実父】山内豊著
【実母】瀬代(平石氏女)
【別称】山内豊信
【略伝】
 土佐藩主。
 1848(嘉永元)年、いとこに当たる土佐藩主山内豊惇の急養子となって家督を相続し、土佐藩主となる。藩政では吉田東洋を起用し、これを新設の仕置役(参政)に任じて藩政改革に当たらせ、島津斉彬松平慶永伊達宗城とともに幕末四賢侯の一に数えられた。
 1858(安政5)年に生じた将軍徳川家定の後継問題では一橋慶喜を擁立して幕府大老井伊直弼と対立。井伊の推した家茂が14代将軍となると、これに反発して翌年に隠居し、豊惇の子豊範に家督を譲ったが、後に幕府より謹慎を命じられる。
 その後、藩内では武市半平太を中心とする土佐勤王党など尊王攘夷派が藩政の実権を掌握したが、1863(文久3)年8月18日の政変などで尊王攘夷派が次第に勢力を失うと、藩政に復帰し、斜陽の幕府を支えるべく公武合体策を推進。武市らの捕縛・処刑など藩内尊王攘夷派の大量粛清を実行した。
 倒幕を企図する薩摩藩・長州藩とは次第に対立したが、後藤象二郎らの進言を容れ、徳川家の存続を企図して将軍徳川慶喜に大政奉還を勧め、その実現に一役買う。しかし、その後、武力倒幕の機運が高まったため、1867(慶応3)年12月、王政復古後の小御所会議で慶喜の臨席と赦免を強く求めて会議を紛糾させるが、泥酔していたために臨席中の明治天皇を「幼冲の天子」と指称してしまう失態を演じて岩倉具視に一喝され、これにより会議の大勢が定まった。
 維新後は内国事務局総裁などを務めるがほどなくして辞職した。
【配役】
山本嘉一(52) …… 妙国寺事件(1929・日活)
長田芳川 …… 旋風時代(1930・帝キネ)
6嵐徳三郎@(49) …… 小笠原壱岐守(1932・映画)
玉島愛造(43) …… 相馬の金さん(1933・映画)
三田国夫(28) …… 維新前夜(1941・東宝)
6嵐徳三郎A(59) …… 維新の曲(1942・大映)
香川良介(51) …… 田之助紅(1947・映画)
小山源喜(49) …… 風雪(最後の将軍)(1964・NHK)
堀 雄二@(42) …… 幕末(1964・TBS)
堀 雄二A(44) …… 燃えよ剣(1966・12CH)
中山 仁(26) …… ジョン万次郎(1968・NTV)
徳大寺伸(57) …… 竜馬がゆく(1968・NHK)
観世栄夫(44) …… 天皇の世紀(1971・ABC)
臼井正明(46) …… 勝海舟(1974・NHK)
小沢忠臣(37) …… 命もいらず名もいらず 西郷隆盛伝(1977・TBS)
ビートたけし(35) …… 幕末青春グラフィティ 坂本竜馬(1982・NTV)
黒川弥太郎(72) …… 竜馬がゆく(1982・TX)
山田吾一(54) …… 田原坂(1987・NTV)
若林 豪(50) …… 坂本龍馬(1989・TBS)
嵐 圭史(50) …… 翔ぶが如く(1990・NHK)
本田清澄(43) …… 尾張幕末風雲録(1998・TX)
塩屋 俊(42) …… 徳川慶喜(1998・NHK)
宇梶剛士(42) …… 竜馬がゆく(2004・TX)
今 拓哉(40) …… 篤姫(2008・NHK)
近藤正臣(68) …… 龍馬伝(2010・NHK)
田中隆三(56) …… 八重の桜(2013・NHK)
永澤俊矢(56) …… サムライせんせい(2017・映画)
戸田昌宏@(49) …… 龍馬 最後の30日(2017・NHK)
戸田昌宏A(50) …… 龍馬の遺言(2018・NHK)
大鷹明良(61) …… 西郷どん(2018・NHK)
水上竜士(57) …… 青天を衝け(2021・NHK)

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