戦国艶物語(各回の主な出演者)
◆ 放送当日の新聞各紙のテレビ欄に掲載された配役を引用しました。
◆ この番組を記録した映像はほとんど現存しないとみられています。そのため、各回のあらすじを各回のクレジットの末尾に記しています。あらすじは、主に朝日新聞のテレビ欄に掲載されているものを用いていますが、地域などによって大きな差がある場合があります。そのような場合は、最も詳しく記載されているものをベースとし、他紙における記述を適宜挿入するなどして構成しました。
第1回
 若尾文子(お市)
 入江若葉(あやめ)
 山本 学(前田犬千代)
 佐藤 慶(織田信長)
 白川由美(お濃)
 宝生あやこ(土田御前)
 小松方正(柴田権六)
 吉田豊明(織田信行)
〈あらすじ〉尾張清洲城主織田信長の妹お市は東海一の佳人と知られていた。十六歳の時、侍女あやめの兄前田犬千代と出会い、一生、忘れ得ぬ面影となる。
 末森城を守る信長の弟信行からお市を迎えにきたが信長は断る。信行はお市を嫁にする条件で柴田権六を味方にし、信長にむほんを企てていることを知っていたからだ。
 今日の第一回は、お市十六歳の初夏から、犬千代との出会い、信行の反逆、その半年後、柴田権六の裏切りで、お市の目の前で、信行が信長に殺される冬十一月までを描く。
第2回
 若尾文子(お市)
 山本 学(前田犬千代)
 佐藤 慶(織田信長)
 入江若葉(あやめ)
 小松方正(柴田権六)
 河野秋武(磯野伯耆守)
 日高澄子
 白川由美(お濃)
〈あらすじ〉お市が十七歳の春、小谷城の城主浅井長政から縁組が申込まれた。お市が思いをよせる侍女あやめの兄前田犬千代のお市をほしいとの願いを退けた兄信長は、浅井家の家老磯野伯耆守に、お市をこし入れさせようと返事する。犬千代に思いをよせるお市は泣いた。
 浅井と手を握ることは、京へ上ろうとする信長の野望達成には欠かせない条件の一つだ。京へ上る途中の邪魔者の一つだった浅井家と手をにぎることは、決して損ではなかったのだ。
 しかし、信長の妻お濃はお市を浅井との政略結婚に使うのはかわいそうだという。男の野望を満たすための道具として結婚をしいられるお市だった。
第3回
 若尾文子(お市)
 入江若葉(あやめ)
 山本 学(前田犬千代)
 中村翫右衛門(浅井久政)
 山岡久乃(阿子)
 河野秋武(磯野伯耆守)
 日高澄子
 草薙幸二郎
 永田光男
 江原真二郎(浅井長政)
〈あらすじ〉近江国にはいったお市、あやめをまっていたのは浅井久政と長政父子の確執だった。
 竹生島に隠居する久政にはひそかな野望があった。それを実現するため六角家と手をにぎらねばならぬとする彼と、織田家と手をにぎり六角家を打とうとする長政の間には、どうしようもない憎しみがあった。
 お市の方が長政のもとに嫁いだのはそんな争いのさ中であった。お市と長政の婚儀は、浅井家の滅亡につながると考える久政の反対、久政も久政の妻阿子の方も婚儀には出ないといい、婚儀はのびのびになった。
 永禄六年、秋たけなわの一夜、二人の婚儀は琵琶湖を望む小谷城の一室で挙げられた。時にお市十七歳、長政二十二歳であった。お市にとっては、武家に生れた女子の宿命を深く心に刻みつけるさかずきでもあった。
第4回
 若尾文子(お市)
 山本 学(前田犬千代)
 江原真二郎(浅井長政)
 入江若葉(あやめ)
 中村翫右衛門(浅井久政)
 山岡久乃(阿子)
 河野秋武(磯野伯耆守)
 日高澄子
 近藤正臣(宮脇)
〈あらすじ〉永禄七年。正月早々太尾城の柿内がお市の夫浅井長政に反旗をひるがえした。出陣の夫に代って、お市は竹生島の父久政、阿子の方へ年賀にゆく。柿内の謀反は久政の指令によることを知るお市の心は重い。
 久政は姿を見せず阿子の方は皮肉たっぷりの言葉でお市を追返す。
 かつてお市が思いをよせた前田犬千代が織田家を追われた。お市の心を知らぬ長政は磯野と犬千代の妹やめを前田召抱えの交渉に出発させた。この話を聞かされ、小谷の城に夢にも忘れなかった犬千代が来るかも知れないと思うと、お市の心は揺れたが……。
 やがて小谷城内に血なまぐさい風が吹いた。久政が長政の食事に毒を盛ったのだ。
第5回
 若尾文子(お市)
 入江若葉(あやめ)
 山本 学(前田犬千代)
 江原真二郎(浅井長政)
 中村翫右衛門(浅井久政)
 山岡久乃(阿子)
 河野秋武(磯野伯耆守)
 日高澄子
 草薙幸二郎
〈あらすじ〉浅井家が二つに割れた相争う愚をさけるため、長政は父の久政と母の阿子の方を小谷城の天守台に幽閉した。親子の情に流されまいとする長政の苦悩を、お市は痛いほど胸に感じていた。
 そんなある日、阿子の方を見舞っての帰り、お市が突然たおれた。懐妊のしるしだった。
 長政は喜んだ。しかし、お市は生れる子どもは女の子であるようにと願っていた。血なまぐさい宿命の待つ男の子よりは女の子を――と望んだのだ。しかし、男の子万福丸が生れたのは、その翌年の春のことだった。
第6回
 若尾文子(お市)
 山本 学(前田犬千代)
 佐藤 慶(織田信長)
 江原真二郎(浅井長政)
 入江若葉(あやめ)
 中村翫右衛門(浅井久政)
 山岡久乃(阿子)
 河野秋武(磯野伯耆守)
 小松方正(柴田権六)
 草薙幸二郎
〈あらすじ〉お市が小谷城へやってきて五年目。万福丸、お茶々、おはつの三人の子どもが生れ、平和な日が続いていた。そんなある日、信長が小谷の城をを訪れるという知らせがあった。
 これを知った磯野伯耆守は、浅井家のため信長を討つよう長政に進言した。長政は「信長は長政を信じて来るのだ。信には信をもってこたえるのが道だ」といってこの進言を退けた。
 やがて信長は、朝倉義景を討つ兵を進めた。それが、お市の身に大きな悲劇となってふりかかってきた。
第7回
 若尾文子(お市)
 入江若葉(あやめ)
 山本 学(前田犬千代)
 佐藤 慶(織田信長)
 江原真二郎(浅井長政)
 中村翫右衛門(浅井久政)
 山岡久乃(阿子)
 河野秋武(磯野伯耆守)
 白川由美(お濃)
 稲垣昭三(木下藤吉郎)
〈あらすじ〉織田信長は徳川家康の応援を得て、浅井・朝倉の連合軍を討つため、江州姉川へ兵をすすめた。勝敗は浅井、織田両家の存亡にかかわる戦いであった。
 兄信長と夫長政の戦いの中に身を置かねばならないお市は平和の訪れを祈るよりほかなかった。この戦いの中でお市はお江を、そして万寿丸を生んだ。
 姉川の戦いは織田の勝利に終った。長政には手痛い敗戦だった。
 浅井家の滅亡は刻々と迫る。信長は、武田信玄の死を待って、天正元年八月、越前に乱入、朝倉義景を滅ぼし、その月末には木下藤吉郎を先兵として小谷城に猛攻を加えた。小谷城の落城が目前に迫り、長長政はお市に姫たちをつれて城からの脱出を命じた。そんな時信長から和議の使者がきた。しかし、やがて長政は自刃、万福丸は信長によって処刑され、万寿丸は仏門にはいった。
第8回
 若尾文子(お市)
 山本 学(前田利家)
 佐藤 慶(織田信長)
 入川保則(織田信孝)
 入江若葉(あやめ)
 白川由美(お濃)
 小松方正(柴田勝家)
 岩村百合子(茶々)
 松下達夫
 堀川 亮(万寿丸)
 林 寛子
〈あらすじ〉小谷落城から九年、お市は三人の娘と清洲で暮した。そこへ京から万寿丸が、たずねてきたのでお市は大喜び。そのころ京に上った兄信長は本能寺で明智光秀に討たれ、光秀の天下もすぐ秀吉に奪われた。
 清洲城は信長の次男信雄の居城となり、お市は三男信孝の神戸城に移った。そこには、また新しい運命が待ち受けていた。
 お市の柴田勝家へのこしいれがきまった。すべては運命、もし運命に逆らうなら小谷へ行く時にすべきだった。
 天正十一年四月、燃えあがる北の庄の城とともにお市はその波乱に満ちた生涯を閉じる。時にお市は三十七歳であった。
第9回
 岩下志麻(茶々)
 河原崎長一郎(根岸一角)
 三国連太郎(豊臣秀吉)
 奈良岡朋子(北の政所)
 岩崎加根子(京極の局)
 伊藤栄子(加賀の局)
 清水将夫(前田利家)
 天田俊明(石田三成)
 信 欽三(織田有楽斎)
 東郷晴子(妙秀尼)
〈あらすじ〉北の庄の落城で母お市を失った浅井長政の遺児茶々は茶人大名の織田有楽斎のもとに引きとられた。茶々のもとへ、お市の侍女だったあやめ、今は出家した妙秀尼が訪れた。関白秀吉が茶々を側室に迎えたいという使者だった。彼女は母の宿命を思い浮べながら、秀吉の子をうみ、天下人の母として誇り高き生涯を送ろうと決心する。そして茶々は、忍者の根岸一角に側室勢の力を調べさせ、聚楽第へ。今回は、秀吉に見そめられて聚楽第へ上がり、北の政所らに目どおりするまでを描く。
第10回
 岩下志麻(茶々)
 河原崎長一郎(根岸一角)
 三国連太郎(豊臣秀吉)
 清水将夫(前田利家)
 天田俊明(石田三成)
 東郷晴子(妙秀尼)
 奈良岡朋子(北の政所)
 岩崎加根子(京極の局)
 伊藤栄子(加賀の局)
 戸浦六宏(服部半蔵)
〈あらすじ〉茶々が、秀吉の側室になってから一年、京極の局と秀吉の熱愛を争うまでになり、京極の局と激しく対立した。茶々の周囲には側室たちのしっとがうずまく中、特に京極の局のそれは激しかった。
 茶々には味方の加賀の局に、御所の伝奏・冷泉俊成卿から届けられた恋文が盗まれた。その恋文が秀吉に見せられると、加賀の局はもちろん、父の前田利家の命もあぶない。茶々は、加賀の局のために、必ず恋文をとりもどしてやると約束した。
第11回
 岩下志麻(茶々)
 河原崎長一郎(根岸一角)
 三国連太郎(豊臣秀吉)
 奈良岡朋子(北の政所)
 岩崎加根子(京極の局)
 伊藤栄子(加賀の局)
 宮本信子(小梅)
 石浜祐次郎(曲直瀬道三)
 東郷晴子(妙秀尼)
 清水将夫(前田利家)
〈あらすじ〉京極の局の手に渡った加賀の局の恋文は、茶々と恋文は忍者根岸一角の努力で戻り、茶々によって奪われた秀吉のちょう愛を取り戻そうとあがく京極の局の敗北は、はっきりと見えていた。
 そんなある日、大坂城に移った茶々が倒れた。茶々は医師道三の診断で妊娠とわかる。秀吉の子をみごもったのだ。男の子なら、浅井家の血が次の天下人に伝えられる。茶々は喜びの涙にくれる。初めて子を持つ秀吉は大喜び。
 茶々の妊娠は正室の北の政所に大きなショックを与えた。北の政所は、足もとがくずれていくような複雑な気持になった。一方、茶々は秀吉に淀の城を所望し、以来彼女は淀殿とよばれる。
第12回
 岩下志麻(茶々)
 河原崎長一郎(根岸一角)
 三国連太郎(豊臣秀吉)
 天田俊明(石田三成)
 奈良岡朋子(北の政所)
 岩崎加根子(京極の局)
 伊藤栄子(加賀の局)
 戸浦六宏(服部半蔵)
 宮本信子(小梅)
 細川俊之(冷泉俊成)
〈あらすじ〉秀吉は、茶々の産んだ鶴松を盲愛した。大坂城での茶々の勢力は着々と伸びていった。これを恐れたのが、正室の北の政所と茶々に強い反発を示す京極の局だった。
 ある日、服部半蔵が、一角と小梅を呼出し、鶴松を茶々から離し、北の政所のもとで育てるよう工作しろと命じた。
 石田三成の努力もかいなく、鶴松は茶々の手元に帰って来なかった。茶々には七カ月のむなしい日が過ぎた。
第13回
 岩下志麻(茶々)
 河原崎長一郎(根岸一角)
 三国連太郎(豊臣秀吉)
 天田俊明(石田三成)
 奈良岡朋子(北の政所)
 伊藤栄子(加賀の局)
 宮本信子(小梅)
 石浜祐次郎(曲直瀬道三)
 岩崎加根子(京極の局)
〈あらすじ〉わが子鶴松と暮したいとの茶々の願いはいれられない中、鶴松の病気が伝えられた。大坂城の秀吉はオロオロ。浪花はもとより京都からも医者をよべとわめく。淀城からかけつけた茶々を秀吉は喜んで迎えた。しかし北の政所と京極の局はだれの許しで淀の城を離れたかと、冷たくいい放つ。
 茶々の寝食を忘れた看病で鶴松は快方に向った。喜んだ秀吉は、茶々に何でも欲しいものを申してみろといった。そして、政所の反対を押切り、鶴松が茶々と淀で暮すのを許した。しかし鶴松は三歳でその生をとじる。悲嘆の秀吉は朝鮮攻めに専念。
第14回
 岩下志麻(茶々)
 河原崎長一郎(根岸一角)
 三国連太郎(豊臣秀吉)
 天田俊明(石田三成)
 奈良岡朋子(北の政所)
 南風洋子(お江)
 不破 潤(豊臣秀次)
 東郷晴子(妙秀尼)
〈あらすじ〉茶々の妹、尾張大野の城主佐治与九郎にとついでいるお江が訪れた。再会の喜びもつかの間。秀吉はお江を佐治から無理に離縁させ、秀吉のおいの岐阜宰相秀勝と縁組させた。憤りの余り佐治は割腹。
 茶々に第二子拾丸が生れた。秀勝の兄関白秀次は自分の地位に不安を感じ、暴行を繰返し、殺生関白とあだなされる。秀吉は彼に切腹を命じ妻、側室、その子ら三十四人を処刑した。この処刑まで茶々の策動にされる。
第15回
 岩下志麻(茶々)
 河原崎長一郎(根岸一角)
 南風洋子(お江)
 細川俊之(冷泉俊成)
 天田俊明(石田三成)
 奈良岡朋子(北の政所)
 岩崎加根子(京極の局)
 伊藤栄子(加賀の局)
 永田 靖(徳川家康)
 田村正和(豊臣秀頼)
 清水 元(本多正純)
 清水将夫(前田利家)
〈あらすじ〉秀吉の死後、冷泉俊成が茶々を訪れ、加賀の局との結婚を頼んだ。大坂城に移った茶々は、加賀の局にあい俊成の意志を伝えた。彼女は俊成のことを心にかけてくれるなと答える。
 茶々が俊成の話を北の政所に伝えていたころ、加賀の局は自害した。
 家康の専横は募り、慶長五年、挙兵した石田三成らは家康と関ケ原で戦って大敗、処刑された。家康の天下になった。家康は秀頼に、上京中の新将軍秀忠に伺候せよと要求した。
第16回
 岩下志麻(茶々)
 河原崎長一郎(根岸一角)
 田村正和(豊臣秀頼)
 永田 靖(徳川家康)
 清水 元(本多正純)
 奈良岡朋子(北の政所)
 南風洋子(お江)
 東郷晴子(妙秀尼)
 宮本信子(小梅)
 野々村潔(片桐且元)
 岩崎加根子(京極の局)
〈あらすじ〉秀頼を押しだし、豊臣の血、権力を保とうとする茶々に対し家康は難題をつぎつぎにもちかけた。豊臣家を滅亡させようとする家康の執念は、片桐且元の追放、大坂冬の陣、夏の陣となってあらわれた。刻々と追いつめられていく茶々の姿は痛々しかった。
 慶長十九年十月、家康の謀略で和平は破れ、大坂冬の陣。いったん和議はなったが、大坂城は外堀を失ったはだか城となった。
 元和元年四月、和議を破った家康との戦いが再び始った。家康は茶々の命と引きかえに秀頼にとつがせた千姫を渡せといってきた。元和元年五月八日、大坂城天守閣でおのれの信ずるままを生きた茶々はかすかな笑みを浮べながら、秀頼と波乱の生涯をとじた。
第17回
 星由里子(千姫)
 田村正和(豊臣秀頼)
 南風洋子(お江)
 永田 靖(徳川家康)
 木村 功(坂崎出羽守)
 三津田健(本多忠政)
 伊丹十三(本多忠刻)
 米倉斉加年(柳生宗矩)
 清水 元(本多正純)
〈あらすじ〉大坂夏の陣の翌春、千姫は千代田城に母お江と共に暮していたが、家康秘蔵のうぐいすを逃がしてやった。驚く侍女。人形のようにあつかわれる自分の悲しみをうぐいすに託して大空に放ったのだ。
 命がけで千姫を救い、火傷で化物のような顔になった坂崎出羽守は家康が約束した千姫との縁組を待っていた。しかし千姫は承諾せず、家康も困った。結の局、千姫がどこへも嫁入りをせぬ条件で坂崎は千姫を断念するが、家康の死で千姫に伊勢桑名十万石の城主本多忠政の嫡子本多忠刻との縁談が急に具体化。それをきいて坂崎はかっとなる。
第18回
 星由里子(千姫)
 木村 功(坂崎出羽守)
 米倉斉加年(柳生宗矩)
 伊丹十三(本多忠刻)
 南風洋子(お江)
 三津田健(本多忠政)
 佐々木愛
 織本順吉
〈あらすじ〉千姫の本多忠刻のもとへのこし入れが決ると同時に化粧料として十万石が与えられた。千姫はそれに反発した。将軍家の娘ではなく、一人の女性として、こし入れしたいという。
 一方、坂崎出羽守にも五万石の加増。しかし出羽守は千姫をあきらめろという意味の加増に怒り、理由のない加増は受けられないと辞退する。嫁入りの日、坂崎家の家臣たちは主君を恥ずかしめられた怒りに殺気立つが、当の出羽守はなぜか静かだった。
第19回
 星由里子(千姫)
 中村賀津雄(本多政朝)
 佐々木愛
 三津田健(本多忠政)
 伊丹十三(本多忠刻)
 柴田美保子(おかつ)
 古城門昌美(おみち)
 織本順吉
 南 美江(村尾)
 斉隠寺章雄(本多忠義)
 荒木雅子(お久満)
〈あらすじ〉元和二年九月十六日、千姫を乗せた船は、尾張・宮の港から桑名へ向った。桑名の船着場には本多忠政をはじめ、忠刻、政朝、忠義そして信康の娘で忠政の妻となっている久満など、本多一族が千姫を出迎えた。おどおどした感じの本多家の中にあって政朝だけが、なぜか千姫に冷たかった。一生、部屋住いで過ごさねばならないはずの政朝が、竜野五万石の城主になれたのは千姫のおかげだと、村尾はおこるが、千姫hあ、あの方の目はきれいに澄んでいたと、ひとりごとのようにいう。
 千姫が新居姫路城に移って三カ月、忠政、忠刻父子にとって将軍家の娘以外の何物でもないことが腹立たしく、夫忠刻はすでにはるか遠い人だった。
 その中で、政朝だけが千姫の関心をひいた。彼は忠刻が祝言を前に離縁した側室おかつ母娘を自分の城に引取っていた。政朝は兄の行為が許せなかったのだ。
 忠政はとりつぶしになった坂崎出羽の旧領津和野を、千姫の意に反し、末子忠義のものにしようと暗躍する。
第20回
 星由里子(千姫)
 中村賀津雄(本多政朝)
 伊丹十三(本多忠刻)
 三津田健(本多忠政)
 佐々木愛
 織本順吉
 古城門昌美(おみち)
 柴田美保子(おかつ)
 南 美江(村尾)
 南風洋子(お江)
〈あらすじ〉姫路城の改修工事が終わったころ、梅のつぼみもふくらんできた。千姫の毎日は暗かった。忠刻との間が、ますます遠くなってゆくのを、千姫はどうすることも出来なかった。
 そんなある日。千姫は、政朝の身辺によからぬうわさが立っているのを聞いた。政朝には、側室だけでなく、子どもまでいるというのである。
 しかし、政朝のそばにいた、側室と子どもというのは、忠刻が追い出した、おかつとおみちだった。
第21回
 星由里子(千姫)
 中村賀津雄(本多政朝)
 佐々木愛
 三津田健(本多忠政)
 伊丹十三(本多忠刻)
 古城門昌美(おみち)
 南 美江(村尾)
 阿井美千子
 荒木雅子(お久満)
 青山良彦(名古屋小山三)
〈あらすじ〉千姫が姫路城へこし入れしてから二年目の春がめぐってきたが、忠刻との仲は険悪だった。夫忠刻との不仲の千姫を慰めるため、出雲の阿国一座が城によばれた。一座にまぎれた豊臣家旧臣が千姫と本多父子に切りかかる。父子は逃げ、千姫は一座の名古屋小山三に救われた。
 千姫の心がすでに離れたことを知る忠刻は、弟政朝と千姫の中を疑い、連日連夜酒を飲んでは不安といらだちをまぎらわしていた。忠刻が離縁した側室のおかつの子おみちも、墓参の帰途忠政の命で殺された。政朝は父忠政らの暴虐に怒りを爆発させる。怒って姫路城へかけつけた政朝からなじられた忠刻は刀を抜いたが、激しく血を吐いた。
第22回
 星由里子(千姫)
 中村賀津雄(本多政朝)
 伊丹十三(本多忠刻)
 三津田健(本多忠政)
 佐々木愛
 御木本伸介(徳川秀忠)
 南風洋子(お江)
 青山良彦(名古屋小山三)
 荒木雅子(お久満)
 南 美江(村尾)
〈あらすじ〉本多忠刻は狂った。なんでもない政朝と千姫との仲を疑って千姫を殺そうとする。しかし千姫にヤリを向けた時、忠刻は血をはいて死んだ。
 千姫は背戸に帰ることになった。忠政は千姫をひきとめ、政朝と夫婦になって本多家に残ってはくれまいかと千姫にたのんだが、政朝の本当の姿が千姫には理解できず、再婚を断った。
 忠刻の百カ日を待ちかねたように千姫は江戸に向う。千姫が江戸へ戻れば本多家はとりつぶしになろう。恐れた忠政は千姫を殺そうと追手を向けた。
 そして江戸に戻った千姫は、秀忠の怒りを買う。
第23回
 星由里子(千姫)
 中村賀津雄(本多政朝)
 佐々木愛
 金子信雄
 青山良彦(名古屋小山三)
 津山由紀子(おみよ)
 南風洋子(お江)
 宮本毬子
 伊丹十三(本多忠刻)
 三津田健(本多忠政)
 御木本伸介(徳川秀忠)
〈あらすじ〉お国一座の役者小山三をかくまう千姫のうわさは江戸中に広まり、"吉田連れは二回からまねく。しかも鹿の子の色小袖"とざれ歌にまでされ、千姫は浮気な女と白い目で見られた。ただ一人の女おみよに命をかけた小山三に、千姫はある感動をおぼえていたのだが、世間はそんな千姫のこころを知ろうとはしなかった。
 小山三は、千姫にあらぬうわがたつのを悩んだ。小山三は、秋月長門守をきらって自害したとばかり思っていた恋仲のおみよがまだ秋月の屋敷に捕われていると聞き、秋月屋敷に飛込み、再会もかなわず切殺された。死体は千姫の邸前にさらされた。千姫が小山三をもてあそび、殺したと、またもうわさが流れる。
 間もなく、千姫の邸の門前に雲水が訪れ、文を託して去った。雲水は、梅枝と名をかえた政朝だった。
第24回(最終回)
 星由里子(千姫)
 中村賀津雄(本多政朝)
 佐々木愛
 南風洋子(お江)
 清水 元(本多正純)
 佐々木孝丸
 北林早苗
 沢村宗之助
 片岡孝夫
〈あらすじ〉出家して梅枝と名をかえた政朝が、ある日千姫の前に現れた。千姫は、世の中の人々がどういおうと、政朝を話したくないと泣きくずれたが、政朝はすがる千姫を振切って立去る。
 それから幾日かして秀忠の使い本多正純が千姫を訪れた。世間の非難を浴び、将軍家に迷惑のかかる千姫を無理やり仏門に入らせ将軍家の安泰を図ろうというのだ。
大河ドラマ+時代劇 登場人物配役事典
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